第5話余談 それは挨拶

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(まさか、こんなになるとは……。大和撫子にも、ほどがある)  口に出して言ったら、正面、しかもこの至近距離から知己の鉄拳制裁を喰らうと分かっているので言えないが。 「……ヤバい。凄い、破壊力だ……」  真っ赤な顔してぽそりと知己が言ったが、こんなに近くに居るのに将之は知己の観察に夢中で、うっかり聞き逃してしまった。 「え? 何?」 「いや。……やっぱり、挨拶だったんだと分かった……」  将之から愛情絡みのキスで、ここまでドギマギしてしまうのなら (クロードのアレは、やはり家族的な意味合いか挨拶的キスだったんだろう)  と知己は推測した。 「さっきから、やたらと意味不明なんですが……」  将之は困惑したままだが (先輩の反応が意外に面白かったから、また隙があったらしよう)  等と不敵にも企んでもいた。           -第5話余談・了-
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