第6話 やんごとなき菊池の成績事情

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(ちょっと同情するぜ、菊池。だが、赤点取る気持ちは、全くと言っていいほど分からないがな)  同時に二教科は学習できない。  とりあえず、今やってた化学が一段落付くまで、英語を待ってもらうことにした。  知己が菊池のノートを見ていた時、クロードも興味あったらしく、そのノートを覗き込んだ。  その時、僅かだが知己の前髪がクロードの額にさらりと触れた。  驚いて、知己が 「あ、ごめん」  後ろに反る。  クロードも 「sorry.」  と言った。  その向かいにいる菊池は (……なんだろう。この居たたまれない雰囲気は。さながら、バミューダトライアングルに迷い込んだ船のような気持ちがするのは、気のせいだろうか)  さっきまでとは別の意味の嫌な汗をかいてた。  知己の様子が気になってちらちらと様子を見ていたものだから、もちろん門脇はその瞬間を見逃さなかった。 「この異人-! 先生から離れろ-!」  はるばる実験機器を納めているスチールロッカーの所から、怒鳴りつける。 「いじん……?」  聞き慣れぬ言葉に、クロードはきょとんとする。 (あいつ……、今、何時代を習っているんだ?)  謎に思う知己だった。  ふんふんと鼻息荒くやってきて、クロードと知己の間に丸椅子を持ってきて 「ふん!」  と割って座る。 「俺が教える!」 「はあ?」     
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