視線の先

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「……でもじゃあ、宙は明日から学校どうするの?」  2人だった時とは違う沈黙の重さに、大樹が気を利かせて別の話題を振ってくれる。ちらりと大地を盗み見た宙は、拗ねたような態度を気にかけながらも、はくっと唇を動かした。 「(いつも通りに行くつもり。母さんがもう話はしてくれたみたいだし、別にそうそう困ることもなさそうだから)」  大丈夫だと思う、と話を締めくくった宙を、大樹がなんとも言えない顔で見つめる。 「……ごめん、宙。なんて言ってるか分からない」 「(あ……)」  申し訳なさそうな顔で告げられたそれに、宙はようやく、事態の重さを痛感したような気がした。  好意が溢れないからこのままでいい、なんて話じゃない。普段の会話もままならないと、どうして思い至らなかったんだろう。 「(ご、ごめん。何か紙……あ、携帯!)」 「あぁ、それなら正確だね」  枕元に放り出していた携帯を示した宙に、大樹がぱっと目を輝かせる。伝えたかった言葉を大樹に送信した宙は、大地にも送るべきかと目を向けたけれど、 「俺にはいらない」  ぶすっとした顔で首を横に振られてしまった。
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