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女子A、男子B、ある冬の朝。
A「昨日の夜、すごかったねぇ、サイレン」
B「あぁ、けっこう近所だったよな」
A「あれ私んちなんだぁ」
B「その割に軽い!」
A「あっという間に火が回っちゃって、持ち出せたのこのホットドッグだけだったよぉ」
B「親の形見かなんかかよ!」
A「そうそう、ちょうど昨日の火事で死んじゃったから、結果的にはそういうことになるよねぇ、これも何かの縁よねぇ」
B「勝手に殺すなよ、さっきそこで会ったし!ってか親の方も全然火事の話なんかしなかったし!」
A「だって嘘だもん」
B「嘘かよ!」
A「でも……お母さんが死んじゃったのはほんと……」
B「え……?でもさっきそこで……」
A「ふ、ふ……やっぱりタカシ君には見えたんだね……昔からの仲だもんね……」
B「まさか……ってことは……さっきのあれは……」
A「そ……VRよ」
B「もはや生命の痕跡すら無い!」
A「だって嘘だもん」
B「嘘かよ!」
A「お母さんはちゃんと生き続けてるわ……私と、そしてタカシ君の心の中に……」
B「死んでるのは本当っぽい!」
A「いいえ、ちゃんと生きているわ。最先端の超科学で若返った、この私こそがお母さんよ」
B「急にSF!じゃあユカリはどこ行ったんだよ」
A「ユカリなら、ほら……私が今食べているこのホットドッグ……」
B「突然の猟奇殺人の自白!?」
A「……を作って先に学校に行ったわ」
B「ありがちなオチ!」
A「だって嘘だもん」
B「この世に信じられるものなんか何も無いかよ!!」
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