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ある日、猫が増えていた。 黒いのとは全然違う、茶色い猫2匹。 黒いのとその2匹がじゃれて遊んでいた。 その時は、隣のおばあさんは多頭飼いしてるんだな としか考えなかった。 いいな、たくさん飼えて。羨ましい。 でもその数日後、また新しい猫を見た。 トラ猫のような、雑種のような猫。 その数日後は、ぶちの猫を見た。 その数日後は、トラの子猫。 その数日後も、またその数日後も。 私は新しい猫を発見し続けた。 その時に私はやっと気づいた。 この猫達はおばあさんに飼われているのではなくて、餌付けされ、繁殖し続けている猫達なのだと。 きっとあのおばあさんは家に何匹住み着いているかわかっていない。 ただ、餌をあげているだけなんだ。 家が猫に喰われている事にも、気づいていない。 そう考えた瞬間、今まで可愛いと思っていた猫達が急に恐ろしく思えた。
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