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父は続けてブツブツと何かを言い続けている。
困った。父がこんなに母に惚れていて、こんなに自分に自信がなくて、プロポーズすら躊躇していたとは!
俺はがっしりと父の両肩をつかんだ。
「父さん、ちゃんと母さんと結婚してよ」
「彰人……」
「俺も協力するから」
ちょっとだけ猫背かなぁと思っていただけだった父の背中が、今日はやけに丸まって見える。
仕方がない。これは、きちんと成人まで育ててもらった恩返しとして、否、同じ一人の男として、応援せねばなるまい!
「あんたたち、何やってんの! うるさいわよ!」
廊下から飛び込んで来ようとする母を押し返し、俺たちは朝方まで「プロポーズ大作戦」会議を続けた。
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