分断戦線

起動

ーグラシア大陸北部イシュール地方
この地には軍事国家があった。
民会、司法会、軍会の３会からなる中央評議会がこの国を統治している。
国の名は「バルバレスト」。 大小４２の領邦からなる連邦国家である。人口の９割が単一宗教の信徒であり、人種としても北部型と呼ばれる者が大半を占める。
総人口1億1000人。
民族としての意識は希薄とされる。その一方で、一年の半分を占める寒冷期によって他地域と交流が少なく、性格は多少内向的な傾向があり、外敵に対する結束力が強い。

そんなバルバレスト人の典型とも言える性格の青年「ヒュージ・マベリック」はバルバレスト連邦軍の士官候補生であった。
あった、というのは今は違う、ということである。
士官候補生の卒業試験である7日間軍事演習の只中に、ヒュージはいた。