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メモの文面に思わず苦笑いがこぼれる。
僕の彼女は、「なぞなぞ」やクイズを考えるのが大好きだ。
何か面白い問題を思いつくと、あの手この手を使って僕にそれを解かせようとしてくる。愛すべき悪癖というやつだ。
さて、今日の問題は……難度は「やさしい」なので、大して難しくないようだ。
『a)b;es f ;ec@4b k ut』の文字列は、おそらく暗号の類なんだろうけど、それほど高度なものではないはず。
その更に下に『ど~れだ?』とあるので、暗号部分それ自体が問題文になっているということかな?
――考えつつ、手洗いうがいを手早く済ませると、僕は何か飲もうと冷蔵庫を開けた。
すると、そこには何やら奇妙なものが鎮座していた。
冷蔵庫の最上段に、ラップをかけた大きなお皿が置いてある。
お皿の上には、何故か「こんにゃく」と「油揚げ」と「高野豆腐」が乗っていた。今朝、家を出る前には無かったものだ。
不審に思って冷蔵庫の中を見回すと、他にも見知らぬ物が増えている。
ワインボトルらしい深緑色の瓶。未開封のパック牛乳。見覚えのない海外産のチーズ。
……これも問題と関係あるかも知れない。
頭の片隅に入れつつ、もう一度メモ書きに目を落とす。
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