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その数日後、またあの男性から電話がかかってきました。
相変わらず携帯の電波が悪いのか、会話は途切れ途切れに聞こえました。
何とか情報を聞き出そうと、私は努力しましたが、肝心なところで切れてしまうのです。
私は少しイライラしてしまいました。
それを察したのか、またかかって来た電話では、何度も途切れた謝罪が聞こえてきました。
途切れ途切れの会話を繋げていき、ようやく12月24日の夜6時にクリスマス用のチョコレートケーキの予約を受けることが出来ました。
ただ、名前を尋ねた時に、「〇島」と〇の部分が聞き取れませんでした。
しかし、相手の男性は「よ…し…お願……ま…」と言って電話を切ってしまったのです。
仕方なく、私は予約の伝票に「〇島様」とケーキ名を書き、予約が受けられたことに安堵していました。
クリスマスが近づくにつれ、駆け込み予約が増えていき、店はますます忙しくなっていきました。
カンナも毎日悲鳴をあげながらケーキを作っていました。
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