【怖い商店街の話】 元宝石店~シャッターの隙間~

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ある日の夜、親友の陽介と商店街のアーケードを歩いていた。 俺たちの家は、アーケードを抜けた先にある。 すでに営業時間も過ぎて開いている店はなく、俺たち以外に歩いている人はいなかった。 誰もいないアーケードに、陽介の笑い声が響いていた。 ちょうど宝石店の前を通り過ぎようとした時、ふとシャッターが少し開いていることに気づき足を止めた。 「どうした?」 「シャッターが開いてる」 俺が指を差すと、少し開いたシャッターを見て陽介も驚いた。 「ほんとだ」 シャッターは、噂通り人の頭がギリギリ通れるぐらいの高さまで開いていた。 「ちょっと中見てみようぜ」 陽介は興味津々にそう言った。 「よせよ」 「噂の検証してみようぜ」 「デマに決まってるだろ」 陽介はシャッターに近づくと、手をついて中を覗き込んだ。 「何か見えるか?」 そう尋ねると、陽介は「真っ暗だな」と言いながら、スマホのライトで中を照らした。 「見えた」 陽介はスマホのライトで中を照らしながら、中の様子を伝えた。 店内にはガラスのショーケースが壁側と中央にあり、それらはすべて荒らされ無残に割られ、床には割れたガラスの欠片やゴミが散乱しているそうだ。
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