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もうこれ以上は後悔したくない。あの子里美の時みたいに。一生自分の背中に背負うものをこれ以上重たくはしたくない。
「よし、行こう」
わたしは声を出して、一歩踏み出した。
そして、一歩一歩大浴場に近づく。恐くて恐ろしくて寒気がしてくる。薄暗い電灯の光が弱い廊下をそろりそろりと歩いていく。
我慢よ、我慢。後少しで大浴場に着くと思ったその時、
「ギャーギャーギャーギャーギャー」と悲鳴が聞こえた。太郎の声だ。
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