雪降る洋館に閉じ込められた

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本当だ。太郎の言う通り、浴槽に張られたお湯は無色透明だった。 そんな馬鹿な……。 そんな馬鹿なことがあるなんて信じられない。お湯は赤黒いどころか、垢さえ浮いていないのだから。 わたしの目がおかしかった? ううん、わたしはこの目でちゃんと見た。嘘じゃない。 「未央ちゃん、お風呂なんともないだろう?」 太郎がわたしに声を掛けてきた。 「うん。だけどさっきは、本当に赤黒い血みたいなお湯になっていたのよ」
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