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僕はというと、やはり収穫0のまま帰ろうとしていた。
長田もどうせ0だし、
今年もだめだったなあ、なんて言い合いながら帰ろう。
「おーい、長田。帰ろう。」
そう思って声をかけたが
「無理!」
なぜか断られた。
「はあ?なんでだよ。」
不満そうな顔を向けてみると、
長田はいそいそと僕の隣にやってきて、嬉しそうな顔で耳打ちする。
「もう少し待ってみたら、何かあるかもしれねえだろ!」
馬鹿だこいつ。
「…そんなにチョコほしいならあげましょうか?」
「はあ?颯太からもらっても嬉しくねえよ!
収穫0のくせに憐れみを施そうとするな!」
「うるせえな、俺は帰るからな。
せいぜいチョコ集め頑張れよ!」
絶対チョコもらってやるからな!!!という決意の言葉を背に、
僕は教室を出ることにした。
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