隣の遠野さんから義理チョコ三年～バリバリの会社員と僕、高校二年生！ 続編開始しました！

中学三年のバレンタイン

　チョコレートもらえる女性(ひと)がひとりだけいる。
　コーポの隣に住んでる遠野恭子(とおのきょうこさん)。
　僕が三号室。恭子さんが二号室。

　二月十四日って、ホントにカップル、よく見かける。
　今日のバレンタイン。
　帰りのスクールバッグには教科書だけ。
　僕って勉強できるって思う。
　二学期の期末だって、学年八位でした。
　だけどさ。イケメンか？スポーツできるか？
　これでなにもかも決まっちゃうんだ。
　僕、両方持ってない。目立たなければ・・・
　ギリで渡すことすら忘れられちゃう・・・

　自宅のあるコーポ。小さいとき、母が亡くなり父も再婚。母方の祖母とふたり暮らし。　祖母は今日、遅いって言ってた。
　それなのに・・・家の前にはひとりの女性。だれかを待ってる様子。
　この女性(ひと)、だれだか、もちろん知ってる。
　隣に住んでる遠野恭子さん。一年くらい前に引っ越してきた。

　引っ越しのとき、挨拶に来た。
　祖母がいろいろ遠野さんに話してたこと覚えてる。
　僕、祖母の後ろに立ってただけ・・・

　「孫の松山洋介です。娘の忘れ形見です」