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「松山君。嬉しいこと言ってくれるね」
遠野さん、ぜんぜん嬉しそうじゃない。クールに首かしげた。
「カレも喜ぶって思う」
少しだけ口に笑み。
「もう三十三歳になっちゃったけど・・・
カレ、夢があってね。
夢がかなってから結婚しようって約束なんだ。
わたし、カレの夢、応援するつもり・・・」
ご自分の個人情報、ベラベラ話して大丈夫なんでしょうか?しかも年齢まで・・
これって、
「わたしを好きになってもだめ。悲しませたくないから、最初からあきらめてほしい」
って言いたいのかしら。
カレ氏いたって別に悲しまないんで安心してください。
遠野さんと話をしたって、そのときくらい。
なんで僕の家の前にいるんだろうか?
「こんにちは。」
「おかえり。洋介君のこと、待ってたんだ」
えっ?なんでしょう?
「これ」
赤い包装紙にピンクのリボン。大きさって教科書くらい。
「チョコレート!バレンタインでしょう」
わわわっ?まさか、まさか・・・
僕、びっくり!遠野さん、クールに笑う。
「仕事してるとね。人間関係、結構大変なの。
カレ氏に本命の高級ブランドのチョコプレゼントして・・・
それから会社のみんなにデパートのチョコ配って・・・これって結構な出費。
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