中学三年のバレンタイン

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 上司と同僚。おんなじチョコってのもね・・・  わたしんとこ、小さな会社だし・・・  そうしたら上司のひとりが、  『僕は病気で甘いものは控えないといけない。バレンタインによけいな心遣いは平気だ。  いま、言った。言ったからな。  もしチョコを差し出したら、残念だがイヤガラセと受け止める』 なんて直前に言ってね。  もうチョコ、用意してたのに・・・  かわりに松山君、受け取ってくれない。  ありがたいなんて思わないでね。余ったからあげるだけ。  こういうの自分で食べるのも、なんかね。  ごめんなさい。すごく失礼なことして・・・  でも松山君。公立の高校に推薦が決まったから、お祝いにはなるでしよ。   ホワイトデー、お返しなんてしないで!ぜったいいらないから!  そういう意味で渡すもんじゃないんだし・・・」  会社に勤めるって、いろいろ大変なことあるんだ。  遠野さん、役に立つ話、いろいろ聞かせてくれた。  帰って箱を開けたら、ゴディバのチョコレート!有名ブランドだ。  学校で、カップルが話してた。  「ゴディバのチョコプレゼントしたんだから、そっちも言うことない?  どうなの!!」  って女子が迫ってた。 遠野さん、僕には迫らなかった。     
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