高校一年のバレンタイン

3/6
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
 会社から帰ってたらしい。  スカイブルーのニットセーターにグレーのスカート。黒のハイソックス。左手には、ピンクのリボンを結んだ赤い包装紙の箱。  右手には、大きな紙バッグ。ピンクの包装紙の箱が見える。  「ガトーショコラつくった!」  会社で配ったギリチョコの余り?ギリにしてはすごすぎる。  「カレ氏につくったけど、材料が余ったからもう一個つくった。  よかったら食べてくれるかな」  「ありがとうございます」  素直に嬉しかった!  でもさ。朝、もらってたらさ。学校でさりげなく見せびらかしたんだけど・・・浜島君なんかに勝利者の笑顔なんか、させなかったんだ!  だめだ~~~考えが卑しすぎる・・・  「気にしないで。材料余ったから捨てるのも、もったいなくて、もう一個つくっただけ。  立派な箱に入ってるのを誤解しないでほしい。  箱だけふたつ買って、どっちにしようかと考えてた。  単純に余った箱、捨てるのはもったいないから、松山君のために使った。  感謝されても困る・・・ホワイトデーなんて考えないでほしい」  遠野さんってさ・・・  よく考えたら・・・  結構ひどいこと言ってるんだ・・・  「味には自信ある。食べてくれる?」     
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!