高校二年のバレンタイン

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高校二年のバレンタイン

 朝、一緒に家を出る。  あたりまえの日常。  そしてまたバレンタイン。  朝、いつものようにチャイムが鳴る。遠野さんの声。  大きなトートバッグ下げている。  きっと会社の人にあげるギリチョコやカレ氏への本命チョコが入ってるんだ。  大きな赤い包装紙の箱が見えた。きっとカレ氏用。小さな紙袋も見えた。きっとギリチョコたくさん入ってる。  ずいぶん風が強い。  遠野さん。時々、膝上のスカートを押さえた。  チラッと白い太腿に目が飛ぶ。  なりゆきです。ハイ。  窮屈そうな黒のハイソックス、朝の光に滑らかに映える。  会社員の制服。ホントにピッタリの女性(ひと)です。ハイ。    「今日、バレンタインでしょ。  フォンダンショコラつくった。カレ氏に。  会社の人へのギリチョコは、デパートでまにあわせるけど・・・」  遠野さんったらおごそかに宣言。  「初めての経験で心配だったから、最初にテスト用をつくった。  なかなかよかったから、会社から帰ったら松山君に持ってく。  その前にカレ氏に渡すけど、カレ氏、忙しいから渡すだけ。すぐ帰る。  主任に仕事、頼まれたと言っていた・・・     
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