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自宅又は緊急対策本部の寮にて各自安全を確保できるように努めること。
私からは以上です」
校長代理スピーチをするのは、いつも決まって松本学校主任だった。
「松本先生、ありがとうございます。それでは次に日本自衛隊の加藤さんより、ご連絡です」
髪をばっちりセットし、真っ黒のスーツに真っ黒のシャツを纏い、赤いネクタイをネクタイを締めた30代くらいの男がゆっくり立ち上がり、周囲に礼をする。
重みのある一歩一歩を踏み出し、壇上へ上がった。
校長が先ほどよりも項垂れる。
松本先生はただじっと壇上の彼を見つめた。
「皆さん、おはようございます。
今日、私がここに来た理由は、他でもない、自衛隊による青少年育成組織『BWO』へのスカウトだ。
皆さんもご存知の通り、国による体力テスト、学力テスト、健康診断に加えて、約6年前から総合力データの回収を行ってきた。
そして、今日、『BWO』にスカウトしたい生徒へ通告の文書を手渡す。
体育館後ろの壁に貼り出された名簿に学生番号のある者は、ここに残ってもらいたい。
もちろん、今、この組織に入るつもりはない者も居るだろう。
だが、君たちは、私たちが選んだ優秀な能力を持っていると言い切れる。
この段階で辞退する者は出て行ってくれて構わない。
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