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「ありがとうございます……」
私は嬉しくて涙が出そうになって、必死にそれを我慢した。
勉強もダメ、スポーツもダメ、デカくてダサい私に、好きだと言ってくれる人が現れた。
それもこんなに素敵な人が。
それから後はもう本当に夢心地で。
飲んだスパークリングワインはノンアルコールなのに、なんだか身体がふわふわしている。
次々と運ばれてきた料理は、どれもこれも凄く美味しくて。
イタリアンってスパゲッティとピザだけじゃなかったんだ。
直人さんは思っていた以上に、優しくて真面目で可愛い人だった。
帰り道「ひかりちゃん、手を繋いでいいかな……」と恥ずかしそうに言う直人さん。
「はい」と答えたのに、躊躇している直人さん。
ようやく握ってくれたその手は、とても温かくて。
私は今まで体験したことのない感情に包まれた。
私はこの人の事が凄く凄く好きだ。
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