49人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうじゃないんだよ。その考え方が一番ダメなんだ。ひかり姉ちゃんのお通夜の時とかに『私の育て方が間違っていたから』って言ったでしょ？ それって言われた方はどう感じると思う？ 『私は間違った育てられ方をしたんだ。私は失敗作なんだ』ってそう思っちゃうんだよ。お母さんは謝っているつもりだろうけど、言われた方は余計落ち込むんだよ。後悔してもダメなんだ、それより今どうしたらいいのかを考えるべきなんだ」
「だから私、家を明るくしようと……」
「あの占い師さんの言う事を頑張っているってこと？」
お母さんは目を伏せて、小さく「うん」と頷いた。
でも、それは違うと思うよお母さん。
「僕は、そうすることでお母さんのストレスが少しでも和らぐなら、真実がどうであっても、それはそれでいいのかなっと思ってた。でも、全ての事をその理論で片付けるのは良くないと思うんだ。ちゃんとみんなで話し合って、お姉ちゃんともゆっくり話しをして、みんなで一緒に考えていかなくちゃいけないと思うんだ」
「そうね……」そう言って、お母さんは何かを考えるように下を向いた。
最初のコメントを投稿しよう！