チョコの代わりに祝福を

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次の日曜日に病院に行くことになった。遼さんの死に顔をみんなで見に行くというわけだ。1歳年をとった私は彼の死に感情も抱けないでいた。ネット友達に引きずられるようにして病院に行った。 「遼さん……」 白い布が被せられた彼の顔を見て、私はやっとその死を実感した。抑えきれないほど悲しい気持ちになった。 「日菜さん」 ネット友達の1人が私にハンカチを差し出した。それでようやく気がついた。私は泣いていたのだ。 「ありがとう」 私はハンカチを受け取って涙を吹いた。 それからというもの、私はいつもと変わらない1週間を過ごしていた。グループチャットは彼を悼む言葉で埋め尽くされた。皆、普通に学校に通った。それぞれ住む県も地域も、もちろん通う学校も違った。それでも、皆同じ気持ちで無理していつも通り振舞った。 「遼さんを心配させてはいけない」 火曜日になって私が送ったメッセージを胸に、皆は平凡な毎日を過ごしていた。 また休日が巡ってきた。 2月14日、バレンタインデーだ。 『遼の母です。日菜さん、今日病院に来れますか』     
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