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問2「ギルド?クラン?なーにそれ?」
リンはしばしば学童舎に立ち寄り、子供達に字の読み書きなどを教えている。教師が不足しているハコ世界、ゲンブ國では生きるための戦いより、生きるための知識を優先させる運動が強い。リンもそれについてはゲンブに進言し、戦士の増加、育成を抑えて武器や防具の強化に努めるようにしていた。
そんな学童舎の中でのリンはややお兄さんに見えていた。
「よーし、それじゃみんな先生に質問あるかなー?」
「はーい!はーい!」
「また君か、はい、何ですか?」
「リン先生は何で弱いのですかー?」
ピクっとリンの眉が揺れる。
「なんで、リン先生が弱い事知ってるのですかーー?」と、学童舎の後方に立つ保育士に視線をやるが誰一人目が合わない。
「だって、リン先生はいつもユナお姉ちゃんにやっつけられてばかりだから!」
「ぐ、痛いところを突くな、君は」
リン、そう。子供のような姿をした彼は武術の経験は一切なく、ユナに抵抗するという概念が無いのである。
「しかしだね、君。こう見えてもギルドで一番強い人と僕はお友達なんだよー」
苦し紛れの言い逃れには聞こえるが事実である。
「ぎ?ギルドってなーに?」
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