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手汗
「え?また箱?
なんだよこれ。
さすがにこのやり方は懲りすぎだろ」
焦らされるのは嫌いじゃないが、焦らされ過ぎるのはあまり喜べなかった。
「で、またダイヤル式の鍵だが、今度は何番だ?
えーと、何か書いた紙は?」
箱を調べると、箱の後ろに紙が張ってあった。
そして、紙には『今日は何日?』と書かれていた。
「なんだよ、さっきの問題より簡単じゃん。
えーと、0214っと」
すると、カチッと鍵が開いた。
「おし、頼むからもう、箱は勘弁してくれよっと!」
しかし、期待とは裏腹、また鍵のついた箱が中から出てきた。
流石にイラつき箱を蹴るが、ただ足が痛くなっただけで、イラつきはマックスだった。
「もう知らん!
こんな箱は捨ててやる!」
箱を持ち上げ玄関の外へ出そうとすると、箱の中から携帯が鳴る音がした。
「何なんだよ!」
捨てようとする思いとは裏腹に、鳴り響く音が俺の気持ちを引き留める。
「ちくしょー、分かったよ。
開ければいいんだろ?」
携帯の音は、俺の言葉を待っていたかのように鳴り止む。
言うまでもなく箱にはまたダイヤル式の鍵がついており、今度は箱の裏に紙が張ってあった。
「何々?
私の誕生日はいつでしょうか?
知るかよそんなもん!
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