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心電図の俺の心臓の鼓動をキャッチする音で、目を覚まし、俺は飛び起きたいところだったが全身が痛い、特に左足が痛くて動けない。近くに看護師さんが、俺の顔を覗きこんだ。やけに静かな病院のベットの上は、何か考えないと落ち着かない.....あ、みきは?
『看護師さん、電話してもいいですか?』
『いいですよ。さっきお母さんが荷物を持って来てくれたから、そこにあるよ。携帯電話持ってくるね。』
俺は、幸い骨折ですんだ動かない足を踏ん張らせて起き、携帯電話をかけた。
『はい。』
『あ、みき?』
『どうしたの?来なかったじゃん?』
『ごめん、交通事故にあってさ。』
『え????!!!』
『日本橋にある、日佐浜病院に来てほしい。病室は103号室だから』
みきは、驚きを隠せない声で
『わ、わかった』
と言った。
昼下がりの病院の一階には本が読めるスペースがあり、近くにソファーがある。俺は落ち着かないから、四人部屋の病室を出て、病室の近くにあるそのスペースには絵本や小説、エッセイ、写真集があり、暇を潰すには丁度いい量だ。
俺は恋愛小説を持ち出し、まだぎこちなく松葉杖をつきながら、ゆっくりと部屋に戻った。三十分程読むと部屋をノックする音が聞こえた。みきかもしれない。
俺は、ベットを降りようとしたら、入ろうとしたみきがそれに気づき、俺の両腕を掴んだ。
『大丈夫?』
『ありがとう!来てくれて』
『俺さ、ずっとお前が忘れられなくてさ。俺と結婚してくれないか?』
『うん。喜んで』
『やった。』
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