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いつも食卓にはちょっとした箸置きがいつも添えられているが、このところ気にしたことが無かった。それをぼーっと眺めている。
『なにボーッとしてー』
親にしかられた。
『箸置きは無駄じゃないのかな?お洒落に置かれるためなのかな?』
『どうなんだろうねー。お洒落に見せるためでもあるし、ちょっとした、相手のための心遣いなんじゃないのかなあ。』
『そうなんだ。』
俺はもう一度元カノに電話した。トゥルルルルルトゥルルルルルル
『はい。もしもし。』
『あ、もしもし。』
『久しぶり。元気?』
『元気だよ元気?』
『うん』
『今度会えない?』
『うん。会えるよ。』
『いつがいい?』
『今度の土曜日。』
『うん。わかった。待ち合わせは、井の頭公園の門の前でいい?』
『うん。いいよ。』
『じゃあおやすみ』
『おやすみ』
付き合っていた当初は、どちらともなく電話しては、長電話をしていた。
今日あった出来事や、あの子がこんなこと言っただとか、愚痴も言い合っていた。この頃は、誰とも長電話していない。夜明けを待ちながらずっと長話がしたい。あの頃のように。
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