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「うっ、うん。わかった」
「部活の帰り? 遅くなっちゃうとまずいよね。じゃあ、また明日学校で。バイバイ」
ひばりは早口でそう告げると、翼の返事も待たずにその脇を通り抜け、翼とは反対の方角へと足早に去って行った。
翼はその場に佇んだまま、その小さくなって行く後ろ姿をただ呆然と見送っていた。
だが彼女が角を曲がりその姿が見えなくなった次の瞬間、無意識のうちに駆け出していた。
何を言うべきかも、どうすれば良いのかも分からない。ただ、ひばりをこのまま一人にはしたくなかった。
角を曲がり、人気のない路地へ入る。前方にひばりの姿を認めるとダッシュで追い付き、隣に並んで「はあーっ」と大きく息を吐いた。
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