9人が本棚に入れています
本棚に追加
「そんなこんなで、1年が過ぎました。と?」
「やめてくれぇ、言わないでくれぇ」
「1年が過ぎました」
「やめて!!」
太田は「だせぇ」と吐き捨ててケラケラと笑っている。なんて底意地の悪いやつ。
しかし事実そうだからぐうの音も出ない。だせぇ。僕。
「話しかけるくらいしろよ」
「なんで俺が悩んでるか分かる?」
「あぁ。ごめん」
「その反応はマジで傷つくから!きついから!」
太田が、また笑う。笑い事ではないのに笑う。ちくしょう。
「逆に、話しかけられることはなかったの?席、隣同士でしょ?」
「あーえーと」
目線が自然と床に引き寄せられる。こめかみから汗がツーと頬に垂れた。
「ふーん」
「察しないで!!」
最初のコメントを投稿しよう!