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「だって…………ムズいじゃん?」
「ムズいって。何が?」
「いや、話すの……」
「今、俺ら話してんじゃん」
「いや、ちがくて、さー……」
「言ってくれないとわからんぞ」
と、太田はニヤニヤ。
こいつ完全に遊んでやがる。
なんて非道な奴だ。人の心がない。友達が追い詰められるのを見てにやける、サド野郎なのか!!
心の中で憤慨する。そのまま口に出せば────
「ん?」
「あーえーとー…………好きなやつと話すのって恥ずかしくない、スか…………」
「かわいいかよ」
「うるさい!!」
太田は重い口角を上げ、マジマジと僕を見る。きっとお目当ての顔が見れて満足なのだろう。
そして、それはきっと僕が見せたくない顔なんだろう。屈辱だ…………。
「なっなら!お前は話せんのかよ!!」
僕は太田に力強く指を指す。
「ほい」
太田がスマホを差し出してきた。
「見てみ」
言われるまま、僕はスマホを受けとり、見る。見慣れた緑と白の画面。
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