青春ってやつです

3/5
前へ
/36ページ
次へ
「だって…………ムズいじゃん?」 「ムズいって。何が?」 「いや、話すの……」 「今、俺ら話してんじゃん」 「いや、ちがくて、さー……」 「言ってくれないとわからんぞ」 と、太田はニヤニヤ。 こいつ完全に遊んでやがる。 なんて非道な奴だ。人の心がない。友達が追い詰められるのを見てにやける、サド野郎なのか!! 心の中で憤慨する。そのまま口に出せば──── 「ん?」 「あーえーとー…………好きなやつと話すのって恥ずかしくない、スか…………」 「かわいいかよ」 「うるさい!!」 太田は重い口角を上げ、マジマジと僕を見る。きっとお目当ての顔が見れて満足なのだろう。 そして、それはきっと僕が見せたくない顔なんだろう。屈辱だ…………。 「なっなら!お前は話せんのかよ!!」 僕は太田に力強く指を指す。 「ほい」 太田がスマホを差し出してきた。 「見てみ」 言われるまま、僕はスマホを受けとり、見る。見慣れた緑と白の画面。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加