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心ときめくバレンタイン♪
男子は、女子からチョコをもらえるか・もらえないかで、ドキドキ……。
女子は、好きな男子への愛の告白に、ドキドキ……。
全校生徒、み~~~んな、朝からソワソワ、ソワソワ、ソワソワ~ンッ! この日だけは、授業や部活がメインじゃなくて、休み時間がメインだ!
だけど、僕は違った。
朝、担任が出欠確認の点呼を取った後、僕の前には長蛇の列! 同じクラスの女子たちが、ズラリッ!
「おまえだけ、モテモテやの~ッ!」
「うらやましいわッ!」
「どうせ俺らはモテませんよ~だ! あ~ぁ、自分でチョコレート買いに行~こぉっと!」
あっちからも・こっちからも、クラスの男子たちからの、ヤッカミの声が飛んで来る。
そう、僕は、バレンタインのモテ男なのだ!
女子たちは恥ずかしそうに、赤やピンク等の可愛い紙袋の中に、可愛くラッピングされた小箱を忍ばせて、僕に手渡していってくれる。
僕は誰から受け取ったか、間違いのないように、あらかじめ用意していた出欠簿にチェックを入れていった。
「よ~し、女子の分集まったか~、こっち預かろう!」
男子の分を回収し終わった担任が、僕から女子の分を回収した。
「お~い、女子~ッ! 男子みたいに、容器だけにしといてくれって言ってたやろ~ッ! ほんまに、おまえら、もう~、おもしろがって、悪ふざけもええとこやで、まったく~ッ!」
そう、僕は保健体育委員。女子の保健体育委員の奴が、数日前から体調を崩して休んでいて、女子の分の検便を回収し、チェックさせられたのだ!
「お~い、コレ、誰の紙袋や~? 可愛いラッピングしてある全く同じ小箱が二つ入ってるやんけ~?」
「あ、先生、ソレ、私のん! 一つ検便で、一つチョコ入ってんねん。よかったら、食べて~♪」
「あ、ほんまか! 頂きます~……、って、食えるかぁ~ッ!」
おもしろがってる女子たちも女子たちだけど、バレンタインの日に、検便を設定しておもしろがってる学校も、どやねんッ!
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