【プロローグ】

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【プロローグ】

 ――とある県、とある街、とあるアパートの一室にて。  カップラーメンの麺をすすりながら一人の若い男がPCのマウスを操作している。  お世辞にも行儀が良いとは言えないその行為に、だがそれを咎める者は誰もいない。  それはその部屋には彼しかいないので、故にどのようなことをしようがそれを注意する者はいないのだ。  そも、自分だけしかいないのに、何故わざわざ行儀を気にする必要がある? 他人の目などないというのに。  ならばそこを気にするのは阿呆だということで。 「――――」  だからこそ、ネット上にアップされた動画を観ながら食事をしていたとしても、誰も彼を怒らない・注意する者はいない。  まさに自分だけの世界――それが“我が家”という聖域なのだ。
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