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レオの両耳には外部の音を遮断し、流れる音だけを聴くヘッドホンが着けられている。
装着されたそのヘッドホンからはかなり大きな音が流れており。
となれば、視界外から声をかけられていることには当然気付くことはない。
大音量でBGMを聴くヘッドホンを装着しても尚、視界外の気配に気づく者はよほど視線や気配に敏感な者だけ。
だがまあ、そう考えたとしても、その声の主の足音とか電灯で照らされた影で分かりそうなものなのだが。
それでも気づかないレオに、その声の主は“わざと無視をしている”と思ったのか。
「無視するなぁ――――アッ!」
「んあ? ――ってゴフッ!?」
突如聞こえた怒鳴り声に気付いたレオ――だが時すでに遅し。
その声に気付いたその瞬間に……えーと、何故か彼の頭上に“雷”が落ちた。
屋内にいるはずなのに、外の空は雲一つない比較的穏やかであるというのに。
更には雷特有の激しい轟音が聴こえないのも不可解で。
故に何故雷が落ちて来たのか――いや、それよりも。
「い……一体、な、なに……が…………?」
雷という高電圧の電気を受けても尚、レオが生きているのが不可解だ。
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