0章 発覚

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ

0章 発覚

「お前、俺のこと好き?」  学校で受け取ったそっけない茶封筒の中身の、白い紙一枚。    簡単な一文。  知っている文字。  知られるはずのない気持ち。    なんで。    すぐに出てきた言葉はそれだった。興味のないふりをしていた。気づいたら目で追っていた。ふと、何をしているか考えてしまっていた。単なる幼馴染と言い聞かせていた。気づいたら、また目で追っていた。  誰にも言っていない。みよちゃんにも言っていない。  なんで、なんで。  こんなこと言ってくる奴じゃない。誰にも言っていない。幼馴染のみよちゃんにも言っていない。  なんで、なんで。なんで。  わからない。わからない。わからない。わからない。  机の前で固まり、思考がループする。わからない。なんで。なんで。    なんで、バレたの。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!