序章 訪れるもの

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「はぁはぁ 本当にこんな坂の上にあるんかねえ? しかし 藁をも掴む思いで。。。。ん? (笑)をも掴む思い ははは くだらねえ メモしとこ」とその汗だらけのデブ もとい 太った男 駄洒落を なんといまだに使用しているらしいガラケーを パカっと開いては メモ機能に入れています さて その頃 坂の上では このなんとも妙な来客 眺めては 顔をしかめるこちら。 中年の小太りのおっさん 「あはは なんじゃ あのデブいおっさん くだらねえ駄洒落メモってっるって つうか 本当に相談所まで来るんかねえ」と自分の格好(さっきまで寝てたパジャマ代わりのスエット)も省みず笑う おっさん 当相談所の所長 誠 糺(まこと ただす)を睨み付けて「何言ってるんですか 所長だって だらけた格好しては 誠 糺なんて名前負けしてますよ」と 当相談所の秘書兼助手の 美人女子大生っぽい 白鷺 美紀(しらさぎ みき)が 黒い長髪を一本に後ろに束ねた美しき横顔で 言われた 誠所長 「まあ確かに他人を笑える容姿でもないなあ わたしも 」なんて 反省するも また はぁはぁ 息を切らせて 坂を上ってくる 男が 一休みしがてら ペットボトルのお茶を飲もうとしては もう中身を飲みきってしまっては悔しがってる姿を見て また 吹き出しています が さっきまで 真面目な顔をしていた 白鷺さんも 今の様子にはやられてしまい 吹き出しては 「ああ、何か冷たい飲物でも用意しておきますね」と 台所へと行ってしまいました ええ? 読者の皆さんは 何故 この二人が 大寺院から こっちへ男が向かって来ているのを 見ることができるのかって? はい 実は この相談所の誠 糺所長 不可思議な力を持っていまして そのひとつ 式神をいくつも 大寺院坂周辺の下界に 放っていて  その一体が 映像を 相談所へ 送ってきていたからです さて そんな風に見られているなんて 思ってもいない 初老の男 如何なる相談を 持って来るのでしょうか?
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