序章 訪れるもの

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誠所長が 因堂氏の手土産 に喜び しかも 九恩寺市名物と知ってるのを聞いたからか  因堂氏も 「おおあなたが 所長さんですかあ よくぞご存知ですねえ はい 武多の竹姫 九恩寺所縁でして はい当市名物なんですよぉ」とノリノリ どうも 所長と似たタイプかしら?と 白鷺さん なんとも 複雑な表情しつつ  冷蔵庫から取り出した 玉露の冷茶を出しては「ではでは 早速 お話伺いましょう どうぞ 冷茶です」 と 応接室にて 三名 腰かけて いよいよ 相談内容をとなりました。 「ええと 私が 当相談所の所長 誠 糺です よろしくおねがいします ではお話伺いましょう」とあらためて 所長が言うも 因堂氏 世間話ついでみたいに「しかし なんだってこんな急坂の上に相談所作ったんですかぁ おいらみたいなおデブさんには結構キツいですよ ははは」とか。。。。 所長もよく訊かれる質問なのですぐに「はい そうですね 実を言うと相談者を選んでるんですよ ここの土地がね 」 「と言いますと?」 「真に苦しんでる方 しかも霊的と言うか、まあ妖しいもの全般ですが そう言う方なら この坂も結局登って来るんですよ ただし 体が言うこと利かない方は 代理人が来ますけど」 「ああなるほどぉ って ではおいらの件もやはりそっち系なんでしょうね 自分自身では判断つかなかったので」 またまた会話が逸れてしまいそうなので 私 白鷺 いつものように「では 相談内容をお話しください」と催促します どうも この因堂氏 根っからのお喋り好きのようで 所長とやはり似ているようです 「はい 私 某寮の管理人をやりながら ブログにて 実話怪談など書いているものでして そのぉ 私の住んでるワンルームマンションは 九恩寺市の私鉄帝都九恩寺駅そばの明光町(めいこうちょう)なんですが」と言えば 話好きの所長がこれに反応「ああ。あそこ 朝川沿いのぉ そう言えば 大田橋ってあったよね あそこ 先の大戦時の空襲の痕 弾丸痕とかあって ちょっとしたスポットですなあ 九恩寺と言えば まだまだ怪異スポットあるけど」とまた脱線 おいおい お前が脱線させてどうする?と睨み付けましたよ所長を。
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