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「あっ白!!」 城に近づくと何人かが真っ白な花かんむりを作っていた。 ここには白の色しかない。 駆け寄ってきた少女を抱きしめる。 「あのね、あのね、今日はね、新しい〔子〕が生まれたの!」 「へぇ」 「キラキラフワフワしてた!しんぴてきだった!」 〔子〕が誕生する瞬間を見たのは初めてなのか、興奮気味に話す。 そして少し首を傾げながら言った。 「それでね、マーガレットがお名前つけてもいいかなぁ?」 不安そうにこちらを見上げる瞳。 可愛らしくて思わず笑みがこぼれる。 「もちろん」 そう言うと、ぱぁぁっと表情が明るくなるなり抱きついてきた。 「やったぁ!!」 どんな名前にしようかなぁと意気込んでいる。 その様子を見ていると、肩を叩かれた。 「はいこれ、桃さんの手紙」 「ありがとう」 スイセンに渡された桃色の花びら。 『明日、会議アリ。皆集合セヨ。』というメッセージが書かれている。 「なんて?」 上から覗き込まれた。 けれど〔子〕に文字は見えない。 「やっぱり会議だったみたい」 「そうなんだ」 桃は手紙のバリエーションが豊富。 この前は恋文のようなものが送られてきた。 …明日の用意しないと。 私たちに、明確な明日は無いけど。
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