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私は目を患っております。
しかし、実際に目が見えないだとか
色彩が感じられないだとかそう言う類のものではありません。
感覚として、そのようなものだと常に思っております。
私の周りには濃い霧がかかっております。
歩いておりますとしばしば木が寂しげに佇んでいるのを見かけます。
時折、ピチャリと地面が音を立て、どこまでも澄んだ寂しさが辺りに反響していきます。
前もって言っておきますが、わたしは常識というものをよくつらまえた人間です。
よって世界がこのようであることに不気味さを孕んだ違和感を覚えております。
きらびやかな太陽のよく生える、そんな一般の世界を羨ましがらないはずがありません。明るい世界を望むのは人類普遍の真理だとわたしは思います。
よってわたしは恐怖というものを振り払って、再び「あの場所」へと向かうことを決意しました。
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