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次の日、野郎たちに自撮りした写真と何もなかったことを伝えた。
まったく、夜中に調べに行った俺の苦労も考えず、「つまんねーの」とがっかりするだけだった。
「これで満足だろ」
その態度に腹を立てながら俺が言うと、松岡がまた余計なことを口走った。
「一日だけじゃ不十分だって! こういうのは、数日様子見ないと。だって、昨日はたまたま死体を見つけられなかっただけかもしれないじゃん!」
まわりの野郎たちも悪乗りし、そうだなと頷いて、今夜も俺に行かせようとした。
断った。
それならと、またじゃんけんをした。
負けた。
こいつらは、俺がじゃんけんに弱いことを知ってやがるんだ。
「今夜だけだぞ。もう一回商店街に行って会えなかったら、今度は別の奴が行けよ」
そう言うと、野郎たちは「わかった、わかった」とにやけながら頷いた。
噂なんて本当は信じちゃいないのに、面白半分で言っているのはわかっていた。
だが、仕方なく俺は夜中の商店街に、もう一度行くことにした。
噂の麻袋の大男を探しに。
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