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僕は彼女の言葉で今の自分の陥っている状態がようやく飲み込めた。
「そっかー記憶喪失かー。困ったねーそれじゃあ自分の名前も、自分が何のズルンズなのかも分からないもんね。あっそうだ、分からないことがあるなら図書館に行けばいいよ」
「図書館?」
「そう、『ガンバリ図書館』。ガンバリって言うのはこの世界のことで本当はガンバリパークって言うの。そのガンバリパークにある図書館だからガンバリ図書館。それでそのガンバリ図書館にはこの世のあらゆる事が載っている凄い本があるんだよ。その本さえ読めば君が何のズルンズで何ていう名前かも分かるはずだよ。ね、私も一緒に行くからガンバリ図書館に行こうよ!」
エメドラちゃんは僕の手を引っ張って、もう歩き出そうとする。
「ちょ、ちょっと待って、そのガンバリ図書館っていうのはどこにあるの?」
「すぐそこだよ。このガンバリパークのサバンナを抜けてジャングルや山や砂漠を抜ければすぐそこだよ」
エメドラちゃんの言うすぐそこはずいぶん遠そうだ。でもやっぱり僕はエメドラちゃんについて行くしか無いみたいだ。
「あっそうだ。君の名前。旅する間じゅう、ずっと呼び名が無いなんて話づらいよね。とりあえず仮の名前をつけてあげようか?」
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