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「え、仮の名前? うん、じゃあお願いします」
僕はエメドラちゃんに仮の名前をつけて貰うことにした。
「うーん、何がいいかな~」
エメドラちゃんは僕の周りをクルクル回りながら一生懸命考えている。
「そうだ、大きな便器を背負っているから、『便器ちゃん』っていうのはどうかな。ね、そうしなよ便器ちゃん」
「べっ便器ちゃん?」
エメドラちゃんに言われて初めて自分が何かを背負っていることに気がついた。僕は便器を背負っているみたいだ。今まで自分の背負っている便器に気がつかなかったのは、きっとここに着くまでずーっと長いこと、この便器を背負っていたからに違いない。もしかしたらこの便器も、自分の記憶や過去とつながっている可能性がある。そう思うとエメドラちゃんが付けてくれたこの仮の名前は、凄く自分にぴったりだと思えた。
「僕の名前は便器ちゃん。うん、その名前凄くいい。エメドラちゃん、これからよろしくお願いします」
「良かった便器ちゃんが気に入ってくれて。じゃあ便器ちゃん、図書館に向かって出発シンコー」「おー」
こうして僕はエメドラちゃんと一緒に、何でも分かる本があるというガンバリ図書館に向かって、ガンバリパークのサバンナを歩き出した。
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