0人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうだね。目の悪いズルンズは多分、地下や海底、森の中の沼なんかで生活するタイプのズルンズだよ。そういう太陽の光が届かない所なら、ズルンズの視力は必要なくて目は小さくなってだんだん退化してしまうからね。ドジョウスライムドラゴンとかポイズンヌタドラゴンとか、あとヤツメゾンビドラゴンみたいなタイプのズルンズかも知れないね」
「なんだかヌメヌメドロドロした感じの名前ばかりだね。でもそういう可能性もあるって事だね」
二人でこんな話をしながら歩いていると、いよいよジャングルの手前までやってきた。しかしそこには巨大な谷が、サバンナとジャングルを遮るように口を開けていた。
「わわ、この巨大な谷はなぁに?」僕は谷の底を覗きながらエメドラちゃんに聞いた。
「うーん、おっかしいなー。こんな谷、前は無かったのに・・・・・・。そうだ、きっとこの間の大地震で地面が割れちゃったんだね」
「ええ、大地震があったの?」
「うん、ちょうど便器ちゃんと私が会う少し前だよ。地震があったから他のズルンズが心配で見回りをしていたんだ。そのとき私は便器ちゃんが倒れているのを見つけたんだよ。ごめんね、すぐに助けようと思ったけれど初めて見るズルンズだったから、ちょっと様子を見ていたんだ」
「そうだったんだ・・・・・・」
僕も目が覚めて何も思い出せなくて不安だったから、エメドラちゃんの気持ちはよく分かった。だからエメドラちゃんを批難する気持ちは無かった。
最初のコメントを投稿しよう!