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「でも、どうにかしてここを渡らないといけないね。私は空を飛べるけど、便器ちゃんは空を飛べる?」エメドラちゃんが言った。
「ええ、エメドラちゃんは空が飛べるの!」驚く僕を尻目に、エメドラちゃんはスッと浮き上がってしまった。
「うん、グリーンエメラルドドラゴンは空を飛べるズルンズなんだ。便器ちゃんはどんなズルンズか分からないけど、とりあえずやってみなよ」
やってみなよと言われても、どうやって浮き上がるのかぜんぜん分からない。
「うーん、どうやって浮き上がったらいいんだろう。ぜんぜん僕には分からないや。エメドラちゃん、僕にはやっぱり無理みたい」
僕の話を聞いたエメドラちゃんは浮くのをやめて地面に降りてきた。
「飛べるズルンズなら記憶が無くても自然に飛べるはずだから、きっと便器ちゃんは空は飛べないタイプのズルンズなんだね。うーんだけど、やっぱりこの谷の上を通らないとガンバリ図書館には行けないね。私が便器ちゃんと一緒に空を飛べたらいいんだけど、私はあんまり空を飛ぶのが得意じゃ無いから、便器ちゃんを担いで一緒に飛ぶと危ないんだよねー」
「ごめんね・・・・・・エメドラちゃん」
僕は空も飛べないし、エメドラちゃんのようにガンバリ図書館が見えるほど目も良くない。何だか自分が何も出来ないように思えて自身が無くなってきた。
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