3.それは通常対応です

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「北条さんは本社の女の子達に囲まれて、楽しくやっているんでしょうか。呼んできていただいて、いいですか?」 「はい…。」 こくっと、結衣は頷く。 それを見て、蓮根は目を細めた。 な…なにが起こった…の…? 部屋を出て、みんなのところに帰る途中、急に動悸が激しくなる結衣だ。 『ね?』ってなにが?ほっぺた、撫でられた。 き…危険すぎるでしょ!ダメでしょ!! ダダ漏れの色気と、深い声で、聞いているだけでなにも考えずに頷いてしまう。 すごいなー。しかし、怖いなー。 「結衣ちゃん?大丈夫?」 「うん。平気。ホテル近いし。」 食事が終わり、気をつけて帰りなよーとか、また、こっち来るときは連絡してねーという声を聞いて、またねーと手を振って、結衣はホテルに向かって歩き始めた。 携帯を手に取る。 着信には番号が表示されていた。 蓮根に連絡はしないつもりだ。 そんな連絡など、できるはずもない。 ところが、急に手元の携帯が着信を知らせて、ぷるるっとなり、わああっ!と驚いた結衣は、思わず反射で出てしまった。 『今、終わったんですよね?』 携帯から聞こえてくるのは、もちろん蓮根の声だ。 怖い、怖い、どっかで見てんの? つい、その場でキョロキョロしてしまう、結衣である。 『先程のお店のオーナーさんに、終わったらご連絡いただくようお願いしていたんですよ。』 くすくす聞こえる笑い声。 「あ…のっ。」 『高槻さん、ぜひ会ってほしい。聞いてほしいことがあるんです。』 また……だ。 その、とても真摯な声と逆らい難い、響きに、 「どうすればいいんですか?」 と結衣は答えてしまう。 『宿泊先のホテルの少し手前にバーがあるんです。そこにいます。』 今、結衣がいるところから歩いて5分くらいのところだ。 そんなところにいるのでは仕方ない。 それに聞いてほしいこと、の中身も気になる。 「分かりました。」 そう返事して、結衣はその店に向かった。     
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