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すると、男の子はおもむろに私の手を握った。
その手は小さくて、やはり寒かったのかとても冷たかった。
男の子は私の手を引いて、どこかに連れていこうとした。
「どこに行くの?」
何を尋ねても、男の子は何も話さない。
そして、男の子が立ち止まった先には、小さな古本屋が営業していた。
「ここが君のご両親のお店?」
男の子は私の手を離すと、じっと立ち尽くした。
「何か悪いことでもしたの? パパに叱られたとか」
男の子はただ首を振るだけだった。
私は男の子の恰好が不憫に思い、服を着させてあげるように頼みに行った。
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