《3》

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《3》

 あっという間に2月が近づき、スーパーでは大豆とチョコレートの販売戦争が繰り広げられていた。  その日は取引先との電話が長引いて、私の昼休みはみんなより30分遅れになっていた。  1人だと外に出るのが億劫で、引き出しの中から大豆で出来た栄養調整食品と呼ばれる食品を取り出して、廊下へ出る。  そう広くないこの会社での休憩スペースなんで、限られている。  入り口の端末で会議室の予約状況を確認する。1番奥まったところが予約もなく、空いていそうだった。  この会議室は大型ビジョンもなく狭いことから、利用率が1番低い。他の会議室も空いていたし、しばらく使いたい人もいないだろう。  私は大して悩むこともなくそこを選ぶと、躊躇いなくドアノブを捻り扉を開けた。 「あ、」  そこに、松田さんがいた。
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