出会いはいつも王道的

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「何しろ魔女が産む子は女だけ。そういう血筋なの。お陰でドラゴン退治も出来るんだけど。この特別な血筋のお陰でね」 「だが子を産む為には、男が必要な事に変わりはないと」 「そうよ。いくら魔女だからって、一人で子供が出来るわけじゃないわ」  女しか生まれない血筋の魔女が子孫を残す為に、彼女達はどうしても外部の者と接触を持つ必要があった。  そんな魔女達にとって、最も都合が良いのがフリーランスの占星術師達だった。 「フリーランスの占星術師達は宮仕えしない事を誇りにしてた反面、スポンサーになってくれるなら相手が何者だろうと最大限のおべっかを使ってくれるから、魔女達も悪い気がしなかったらしいわ」  (かつ)ては魔女の父親達の大部分は、フリーランスの占星術師が占めていた。 「まあ、私の父は、戦場で野垂れ死にしかけてた傭兵だけど」  フリーランスの占星術師達の他に、野垂れ死にしかけた傭兵達も魔女達にとっては貴重な子種の供給源だった。  ギルドがこの世に現れる以前の時代、当時のお抱え占星術師は、フリーランスの占星術師と魔女との関係を利用して、領主と魔女の間を取り持っていた。  巨大賢者の石の生成に失敗し、ドラゴンが発生すると、お抱え占星術師はフリーランスの占星術師を通して魔女達にドラゴン退治を依頼したのである。     
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