出会いはいつも王道的

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 ギルド戦争以前、ドラゴン退治はギルドの専売特許だった。  ドラゴンを退治出来たのは、ギルドか又は忌み嫌われた存在である魔女だけだったからだ。  ギルド戦争以降、ギルドによるドラゴン退治は(ほとん)ど行われなくなった。  人々は自らが忌み嫌った存在である魔女に、ドラゴン退治を依頼せざるを得なくなった。 「しかし私達もお人好しよね。『魔女』なんて忌み名を『魔法少女』と変える事で、手の平を返して私達に助けを()えるなんて思い込んじゃってる人達を、本当に助けちゃうんだから」  そう呟くと、彼女、カリン・アラモードは、緊張した面持ちで戦いを見守っていた町長の前までやって来た。 「僅かな謝礼と引き換えに」  誰に言うともなく呟くと、彼女は町長が片手に持つ金貨の入った袋をひったくるように受け取った。 「お、おう、これは魔法少女殿。この町を代表して礼を申し上げる」  (ようや)く何かに気付いたかのように、町長は(うやうや)しく(こうべ)を垂れた。 「どういたしまして」  カリン・アラモードは両手で軽くスカートの両脇を摘み上げ、僅かに膝を曲げると、わざとらしくニッコリ微笑んだ。  若い人々はその可憐な仕草にひたすら感心していた。しかし年配者達は複雑な表情を浮かべた。     
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