出会いはいつも王道的

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出会いはいつも王道的

 誰かが言った。神が作ったこの世界は完全だと。  だからこの世界は円から出来ている。  なぜなら円ほど完全な形はないのだから。  遠い遠い昔、そう誰かが言った。  二十年前、このギルド戦争が始まった。  この戦争で世界の人口は半減した。  それでも人は戦争を()めない。  ギルドと領主連合。この二つの勢力のいつ果てるとも分からぬ戦い。  互いの正義を背負った、一歩も引けぬ戦い。  戦いはいつまでも続く。  ドラゴンが血塗られた牙で戦場を引き裂くまで。 「魔法少女さまー!」  遠くから見守る子供たちの声援を背に受けて、彼女は目の前のドラゴンをキッと睨んだ。 「別にあんたに恨みがあるわけじゃない」  そう呟きながら、肩に担いだ身の丈程もある長い棒を一閃。  棒は振り下ろされる程にその長さをますます増して行った。  その先端が地面を叩き、跳ね返ると同時に、彼女はそれをドラゴンめがけて突き出した。  先端にはめ込まれた小さな石は、ドラゴンの腹部に輝く大きな石を鋭く打つ。 「(むし)ろあんたらには感謝してるくらい」  大きな石が砕かれると共に、蜃気楼のように消えて行くその巨体を見据えながら、彼女はそう呟いた。     
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