第11通:星也くんへ

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星也くんへ、 バラエティー番組絶好調ですね。 先日、久しぶりに修くんと共演していましたね。二人の温泉ロケ面白かったです。 いつの間にか修くんは大学生になっていましたね。 大学の話を真剣に聞く星也くん可愛かったです。 今日はバレンタインデーですね。チョコは星也くんの事務所が受け付けないのでメッセージカードを同封しました。 塾生はバレンタインデー当日はもちろん、数日前からソワソワしている感じでした。 色んな意見があると思いますが、好きな人に告白するのを背中を押してくれる日と私はバレンタインデーを理解して、積極的になる女子を心で応援しています。 応援って、こういう上から目線が良くないのかもしれませんね。 生徒の涼くんを異性として意識してから私は自分が本当は何者なのかを考える事が増えました。 正直、以前の私は世の中で比較的『善』側にいると考えてました。 地元の塾生達が少しでもいい結果が出るように塾講師を務め、愛する主人のために家事をして、子供はまだ恵まれないけど、不妊治療を前向きに考え、特に後ろめたい事はありませんでした。 唯一、人に言えない事はこうやって星也くんに定期的に手紙を書いていることくらいでした。 そんな平和に生きてきた私は突然涼くんに対する恋心によって2つの大きな『悪』に足を踏み入れたのです。 そう言うと涼くんを責めるように聞こえてしまいますね。 色々考えたけどきっと私はもともとそういう人間だったのだと思います。 だから星也くんに手紙を書き始めていたのかも。しかも、ファンレターを書く事に大げさな言い訳をつけて。 涼くんに告白されてから実は彼に会えていません。 勝手に答えを出さなくてはと夢中になっており、大学入試の時期がしっかり頭に入ってなかったバカな女になっていました。 彼は私立大学や国立大学の2次試験を受けるため東京に行っています。 センター試験の結果は国立大学の合格圏内でしたが、受験するのは難関大学です。 東京で単身受験をして戻ってくる頃には私のことなんて忘れているかも。 また馬鹿げた事を書いてしまってごめんなさい。 寒いので風邪ひかないでね。 ハッピーバレンタインデー! 2014.2.14 杉崎ほのか
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