第3通:Dear God in a Filed

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第2次性徴期は俺ら男達を悩ませ苦しめる。 ここでいう性徴は成長ではなく「性徴」のほうだ。 確かに第2次「成長」期も俺らアイドルを悩ませる時もある。 俺らの事務所は背が日本人の平均より少し低く、顔がキュッと小さくかっこよくてもどこか中性的な可愛らしい子達がセンターになる事が多かった。 ファンの数がそういう子達が1番多いってわけでもないのだが、世間が抱く事務所へのイメージみたいなもので、うちの事務所と言えばこんな子!と思う人達が多いのを幹部が知ってるのだと思う。 入所当時は事務所ブランドを具現化したような12歳くらいの少年達も中学2年くらいになると骨格が急に発達して顎がしっかりし男らしさを帯びてくる。 大抵、センターにいる子達はハードスケジュールのため睡眠不足で身長が伸びないケースが多かったが、欧米化していく食文化を元に身長が伸び、センターから外される奴もいた。 表舞台での露出が減る事はアイドルにとって死活問題なのだが、13-14歳の少年達は自分の日々の成長に無頓着な奴が多く、センターを外された奴らもそれが理由だと落ち込んだりしていなかった。また、過度なダイエットや睡眠制限もしていなかった。 俺も成長期には背が伸びたし、肩幅が大きくなって衣装が入らなくなったりした。 しかし、体が大きくなり力が強くなる事は男として喜ばしい事だとポジティブに受け止めていた。 一方、「性」の欲求、特に精通を経験した後「女性を異性」=「性の対象」として意識し始めてから、体の奥から湧き出る無秩序な熱を抑えるのは辛いものであった。 俺の数少ない高校時代の親友と第2次性徴期の体験について語った事がある。 その時、性への欲求は男だらけの環境で、かつ女性が視界に入るけど手を出せない状況が一番辛いという結論に達した。 雄シャケが好みの雌を追い、川でボロボロになって最後はのたれ死んでも交尾を遂行するように、男には性への本能が備わっているのだ。 そして周りに男が多いと、彼らを自分の遺伝子を残す事を阻止するライバルとみなし、彼らに勝つため、精子の密度を増やせ、精液をもっと勢いよく飛ばせ、脳が指令を出すので、性欲が爆発していくのだ。 男性器のカリは女性を喜ばせるために発達しているわけではなく、前に膣内で射精された精液を掻き出すための形なんだ。男の根本にあるのは強い競争意識なんだ。
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